BACH FUGA
LYNX

SD-1031
 
e-onkyo     mora
 

TRACK LIST :
01. Contrapunctus 1
02. Contrapunctus 2
03. Contrapunctus 3
04. Contrapunctus 4
05. Contrapunctus 5
06. Contrapunctus 6 in Stylo Francese 
  フランス様式によるフーガ
07. Contrapunctus 7 per Augment et Diminut
  拡大縮小フーガ 
08. Contrapunctus 8 a3
  3つの主題による3声のフーガ
09. Contrapunctus 9 alla Duodecima
  2つの主題によるフーガ 
10. Conttapunctus 10 alla Decima 新主題によるフーガ
11. Contrapunctus 11 a4 3つの主題によるフーガ
12. Contrapunctus inversus 12a forma recta (正像) 
13. Contrapunctus inversus 12b forma inversa (鏡像)
14. Contrapunctus inversus 13a forma recta (正像)
15. Contrapunctus inversus 13b forma inversa (鏡像) 
16. 3つの主題による未完のフーガ
17. コラール「汝の御座の前に我進み出で」BWV668
18.「ゴッセルツハウゼン聖マリア受胎告知教会」の鐘の音
 
 
 
 
Produced by Seigen Ono

Recorded, Mixed and Mastered by Seigen Ono
Recorded at Gosseltshausener Kirche Mariae Heimsuchung (Germany) 2012
Mixed and Mastered at Saidera Mastering, Tokyo (Japan) 2013
Recorded direct to 5.6 MHz DSD multi-track (KORG MR-2000S X5 unites).
DPA microphones, Grace M801 No artificial Reverberation added.
 
 
Art Director: Tsuguya Inoue/ BEANS
Designer: Jun Inagaki / BEANS
Creative Director: Kunihiro Goto / Drive Direction
Photographer: Kenshu Shintsubo
Hair & Make up: Katsuya Kamo / mod's hair
Photographer (recording location): Seigen Ono
Special Thanks to
Pfarrer Josef Schemmerer (ヨゼフ・シェメラー神父), Roland & Anna-Maria Kartmann (ローランド&アンナーマリア・カートマン夫妻), Masaki Funakoshi (INFORMATION DEVELOPMENT CO., LTD), Sachiko Meisen and All our families and fans.
 

 
MUSICIAN: 
小池智子 TOMOKO KOIKE (Flute I)
郡律子 RITSUKO KORI (Flute II)
佐藤麻美 MAMI SATO (Alto Flute)
松崎麻衣子 MAIKO MATSUZAKI (Bass Flute)

監修 : パウル・マイゼン先生より
リンクスが2011年にバッハの『フーガの技法』BWV1080を録音するという意欲が固まった時点で、ここドイツ・バイエルンでは録音にふさわしい教会探しが始まりました。バッハが図らずも未完成のまま、筆を折って死に至ったこの最後の偉大な作品を、どうしてもドイツの教会で収録したいというのがリンクスの考えだったのです。
カトリック地方であるバイエルンには限りなく沢山教会があります。勿論最初に考えたのは、有名なベネディクト宗派の大聖堂、シャイアンのバジリカ(1102年創設)で、リンクスは既に2008年にこの大聖堂の新しい鐘の献金を集めるためのチャリティーコンサートで『フーガの技法』を演奏しているのです。しかしこの大聖堂はあまりに大きく、しかも2日間の録音期間中、妨げられずに収録を終えられるかどうかが危ぶまれました。最終的に土地の人達が「ホレダウの宝石箱」と呼んでいる、ゴッセルツハウゼンの聖マリア受胎告知教会に白羽の矢が立ったのです。ホレダウ地方はビールにとって大事なホッブの栽培地域で、世界で一番大きいホップ名産地のため、日本のビールも含めて世界中の大手のビールメーカーはホップをここから仕入れていて、土地の人はかなりプライドの高い人達です。このホレダウ地方の真っ只中、ホッブ畑に囲まれたゴッセルツハウゼンの教会が全ての音響的条件を満たしてくれました。そして音響のみ ならず、この教会は本当に「宝石箱」なのです。聖壇、フレスコ天井画(1752年 ブフナー作)そしてジングニツ作製のオルガンなどがこのカリスマ的な教会の絢爛さを高めています。 『フーガの技法』のCD録音がこの教会で行われた為にリンクスの演奏は限りなくインスピレーションに満ち、迫真に迫るものがあり、バッハの最後のコントラプンクト大作にふさわしい威風を添えました。最後の賛美歌「汝の御座の前に我進み出で」のあとで鳴り響く教会の鐘でこの類まれなCDが終結します。
今回『フーガの技法』の録音のためだけに真冬の極寒のドイツにやって来ると言う彼女たちの心意気は信じられないほどの意志でした。もっともクオリティ見識の意志は、もともと昔からリンクスの特別なトレードマークですが・・。そして、録音の成果を聴いて全ての苦労が報いられた感があります。
バッハ自身はこの作品を一度も聴くことなく逝去しますが、彼がこの『フーガの技法』の草稿で何を意図したかは永遠の謎です。楽器の指定が全くないので、これまでに色々な編成ヴァージョンで演奏されていますが、4本のフルートはとりわけオルガンの響きに近く、しかもオルガンよりエラスティック(柔軟、弾力的)で息づいています。ですから「フーガの技法』は4本のフルートでの演奏が最適、いや理想的とまで言えると思います。リンクスは独自の個性的でしかも明白な(透明な)説得力のあるスコアの解釈を見つけました。それに加えてゴッセルツハウゼン教会の音響と鐘、そして最新の技術(128fs 5.6MHz DSDの立体サラウンド)を取り入れた、オノセイゲンによる録音。
素晴らしく壮麗なCDとなりました。
 
パウル・マイゼン
 
 
『フーガの技法』について
フーガの語源は「逃走」を意味するラテン語の「fuga」で、主題モチーフが複数の声部にあらわれ、互いに追いつ追われつ展開していく曲のことをいう。しかしバッハは『フーガの技法』各曲のタイトルに、あえて「フーガ」ではなく、対位法的な音楽全般をあらわす「コントラプン クトゥス」という名を付けた。作曲は出版を前提に1740年代初頭からの約10年間にされたと考えられるが、その最中に作曲者の視力が低下し、未完成のフーガ1曲を残して中断された。その余白には次男C.P.E.バッハの筆跡で「このフーガで、対位主題にBACHの名がもたらされたところで、作曲者は世を去った。」との記述がある。初版はバッハの死の翌年1951年に出版され、様々な様式・技法による14曲のフーガと4曲のカノンが現行の多くの版に収録されている。すべて当時の一般的な鍵盤楽器で演奏できるように作曲されているにも関わらず、2~4声のオーブンスコアで書かれており、しかも楽器の指定がない。これは当時の対位法的鍵盤作品にしばしば見られる形態で、鍵盤以外の楽器で演奏しても良い旨を明言している作曲家もいる。こうしたことからバッハは『フーガの技法』について、いくつかの楽器の組み合わせによる演奏を容認していたと考えられる。現代では チェンバロ、ピアノ、オルガン、そして弦楽四重奏、オーケストラなど、様々な楽器の組み合わせで演奏、録音されている。

コントラプンクトゥス1:基本主題によるフーガ
コントラブンクトゥス2:基本主題の付点音符による変形フーガ
コントラプンクトゥス3:基本主題の転回形(上下が逆転)によるフーガ
コントラプンクトゥス4:基本主題の転回形によるフーガ
コントラプンクトゥス5:変形主題とその転回形による、反行フーガ
コントラプンクトゥス6:変形主題とその転回形による、「フランス様式」の反行フーガ
コントラプンクトゥス7:変形主題とその転回形の拡大、縮小による反行フーガ
コントラプンクトゥス8:2つの新主題と変形主題による三重フーガ(3声)
コントラプンクトゥス9:新主題と基本主題による二重フーガ
コントラブンクトゥス10:新主題と変形基本主題による二重フーガ
コントラプンクトゥス11:2つの新主題と変形基本主題による三重フーガ
コントラブンクトゥス12:基本主題の変形によるフーガaと、その鏡像フーガb。 鏡像フーガとは、もとの楽譜に鏡を立ててすべて反転させても、音楽的な損失なしに演奏できるフーガのこと。
コントラプンクトゥス13:変形主題とその転回形によるフーガaと、鏡像フーガb。 作曲家自身による、2台のクラヴィーアのための編曲を使用。
未完のフーガ:3つの新しい主題による、未完のフーガ。3つ目のテーマはB-A-C-H (シローラードーシ)と、自身の名前を用いている。この後におそらく基本主題が現れ、4つのテーマが結合して終結を迎えるはずだったと言われている。
コラール「汝の御座の前に我進み出で」BWV668:バッハ本人の意思により、初版出版の際に「未完のフーガ」に続いて収録。《オルガン小曲集》より「われ悩みの極みにありて」BWV641の旋律を用いたコラールで、死の床で息子に口述筆記させた。バッハの絶筆とされているものである。
 

Flute Ensemble LYNX
http://www.flute-lynx.com
クラシック作品からオリジナル、ポップス、日本の歌まで、ジャンルの枠を越えて音楽の美しさを表現し続けるLYNX。東京芸術大学在学中に結成され、2001年ソニーレコードよ「Lynx」 でメジャーデビュー。ピッコロ、フルート、アルトフルート、バスフルートという4種類のフルートを使った多彩なレパートリーとカジュアルなトークが人気を呼び、国内外でのコンサートのみならずテレビ出演、ラジオ番組のパーソナリティー、雑誌連載など幅広く活動を展開。2005年より4年連続のヨーロッパツアーを成功させ、フルートアンサンブルとしてクラシックのひとつの形を作り上げた。2007年、結成10周年を記念した10枚目のアルバム「flute」を発売。2008年より、毎年「フルートアンサンブルLYNX Vintage & LYNXチャレンジ」を行い、フルートアンサンブルのさらなる可能性や楽しみを追求している。2009年、ソニーミュージックダイレクトより、初のベスト盤「re(アールイー)」を発売。学生時代に結成されたメンバーたちが同じ時間を共有し、同じ時代を生き、プライベートでは全員が結婚、出産を経験。そして、これからも生涯に渡ってアンサンブルを磨き上げていくことを約束している希有なグループである。彼女たちは現在、年代を問わず楽しめるステージを目指して、イラストや朗読などを取り入れた新たな企画も展開している。2013年、「バッハ」と「日本」をテーマとした、2枚のアルバムをリリース。